1963-1964シーズンのNBAは、NBAの18回目のシーズンである。シーズンは1963年10月16日に始まり、1964年4月24日に全日程が終了した。
シーズン前
ドラフト
ドラフトではアート・ヘイマンが、ニューヨーク・ニックスから全体1位指名を受けた。またネイト・サーモンド、エディ・マイルズ、ガス・ジョンソン、ジム・キングらが指名を受けている。
その他
- シラキュース・ナショナルズはニューヨーク州シラキュースから、ペンシルベニア州フィラデルフィアに本拠地を移転し、フィラデルフィア・76ersに改称した。
- シカゴ・ゼファーズがイリノイ州シカゴから、メリーランド州ボルティモアに本拠地を移転し、ボルティモア・ブレッツに改称した。
シーズン
オールスター
- 開催日:1月14日
- 開催地:ボストン
- オールスターゲーム イースト 111-107 ウエスト
- MVP:オスカー・ロバートソン (シンシナティ・ロイヤルズ)
イースタン・デビジョン
ウエスタン・デビジョン
スタッツリーダー
※1969-70シーズン以前はアベレージよりも通算でスタッツリーダーが決められていた。
各賞
- 最優秀選手: オスカー・ロバートソン, シンシナティ・ロイヤルズ
- ルーキー・オブ・ザ・イヤー: ジェリー・ルーカス, シンシナティ・ロイヤルズ
- 最優秀コーチ賞: アレックス・ハナム, サンフランシスコ・ウォリアーズ
- All-NBA First Team:
- ウィルト・チェンバレン, サンフランシスコ・ウォリアーズ
- エルジン・ベイラー, ミネアポリス・レイカーズ
- ジェリー・ウェスト, ロサンゼルス・レイカーズ
- ボブ・ペティット, セントルイス・ホークス
- オスカー・ロバートソン, シンシナティ・ロイヤルズ
- All-NBA Rookie Team:
- ジェリー・ルーカス, シンシナティ・ロイヤルズ
- ネイト・サーモンド, サンフランシスコ・ウォリアーズ
- ロッド・ソーン, ボルチモア・ブレッツ
- ガス・ジョンソン, ボルチモア・ブレッツ
- アート・ヘイマン, ニューヨーク・ニックス
シーズン概要
- 最優秀コーチ賞とオール・ルーキー・チームが新設され、初代最優秀コーチ賞にはサンフランシスコ・ウォリアーズのアレックス・ハナムが選ばれた。
- シンシナティ・ロイヤルズが大幅に勝率を伸ばし、独走状態だったボストン・セルティックスに肉薄した。1962年にドラフト指名されたジェリー・ルーカスがようやくチームに合流し、オスカー・ロバートソンにウェイン・エンブリー、ジャック・トゥィマンにルーカスを加えたロイヤルズのオフェンスは、リーグトップの得点力を誇った。ロバートソンはシーズンMVPを、ルーカスは新人王を獲得した。
- ウエスタン・デビジョンではサンフランシスコ・ウォリアーズがようやく西海岸の水に慣れ、デビジョン首位の座につき、ロサンゼルス・レイカーズとセントルイス・ホークスの二強時代に割って入った。
NBPAの決起
1954年に結成されたNBPA(選手会)は各球団オーナーから正式な交渉の窓口として認められていなかったため、この10年間を大きな成果を挙げられぬまま過ごしていた。しかしこのシーズン、初めてテレビ中継されるオールスターゲームを2代目会長のトム・ヘインソーンは絶好の機会と捉えた。オールスター選出選手らと結束しオールスターゲームをボイコットする構えを見せることで、強引に交渉の場を築いたのである。このボイコット騒動で肝を冷やした球団オーナーとリーグはようやくNBPAを正式な選手の団体交渉代表として認めた。また日当の8ドル加増と年金制度の充実化が約束された。
プレーオフ・ファイナル
セルティックスVSウォリアーズ再び
六連覇を目指すボストン・セルティックスの前に、かつてはイースタン・デビジョン最大のライバルチームだったフィラデルフィア・ウォリアーズが、サンフランシスコ・ウォリアーズと名前を変え、ウエスタン・デビジョンの覇者として立ちはだかった。
セルティックスはビル・シャーマン、ボブ・クージーが引退し、ビル・ラッセルとサム・ジョーンズ、トム・ヘインソーン、K.C.ジョーンズが中心選手となり、さらにベテランのクライド・ラブレットやウィリー・ナオルスを獲得した新たな体制でウォリアーズを迎え撃った。ウォリアーズはウェイン・ハイタワーやトム・メシェリーらが脇を固めるが、ほぼウィルト・チェンバレンのワンマンチームであり、ネイト・サーモンドはまだ期待のルーキーに過ぎず、王者セルティックスに挑むには戦力不足だった。結局イースタン・デビジョン時代と状況は変わっておらず、チェンバレン率いるウォリアーズはまたもやセルティックスの前に敗退し、セルティックスの連覇記録がまた一つ更新されることとなった。
ラストシーズン
- ドルフ・シェイズ (1949-64) 1940年代からNBAで活躍した最後の選手。
- クライド・ラブレット (1953-64) ルーキーイヤーのミネアポリス・レイカーズ時代に優勝を経験。以来、優勝には恵まれなかったが、キャリア終盤にボストン・セルティックスに移籍し、2度目の優勝を飾った。
- フランク・ラムジー (1954-64) ボブ・クージーやビル・シャーマンらとともに初期のセルティックス王朝を支えた。7回の優勝とともに引退。
外部リンク
- NBA.com HISTORY (英語)
- NBA.com HISTORY Finals (英語)
- Basketball-Reference.com (英語)




