Brainfuck(ブレインファック)はプログラミング言語のひとつ。なお名称に含まれるfuckが卑語であるため、Brainf*ck または Brainf**kなどと表記されることがある。
概要
開発者Urban Müllerがコンパイラがなるべく小さくなる言語として考案した。 実際、Müllerが開発したコンパイラのサイズはわずか123バイト、インタプリタは98バイトであった。
Brainfuckプログラムは非常に可読性・記述性が低いため実用性は期待できないが、チューリング完全である。その簡潔さから多くの派生言語を生み出すこととなった。
Brainfuckの言語仕様
処理系は次の要素から成る: Brainfuckプログラム、インストラクションポインタ(プログラム中のある文字を指す)、少なくとも30000個の要素を持つバイトの配列(各要素はゼロで初期化される)、データポインタ(前述の配列のどれかの要素を指す。最も左の要素を指すよう初期化される)、入力と出力の2つのバイトストリーム。
Brainfuckプログラムは、以下の8個の実行可能な命令から成る(他の文字は無視され、読み飛ばされる)。
>ポインタをインクリメントする。ポインタをptrとすると、C言語の「ptr ;」に相当する。<ポインタをデクリメントする。C言語の「ptr--;」に相当。ポインタが指す値をインクリメントする。C言語の「(*ptr) ;」に相当。-ポインタが指す値をデクリメントする。C言語の「(*ptr)--;」に相当。.ポインタが指す値を出力に書き出す。C言語の「putchar(*ptr);」に相当。,入力から1バイト読み込んで、ポインタが指す先に代入する。C言語の「*ptr=getchar();」に相当。[ポインタが指す値が0なら、対応する]の直後にジャンプする。C言語の「while(*ptr){」に相当。]ポインタが指す値が0でないなら、対応する[(の直後)にジャンプする。C言語の「}」に相当。
Brainfuckプログラミング例
Hello World!
[> [> > > > <<<<-]> > >->> [<]<-]>>.>---. .. .>>.<-.<. .------.--------.>> .> .
派生言語
以上の8つの命令文字は可読性のために選ばれたものであり、これらが使われなければならない理由はなく、より難解にすることを目指したり、あるいは単なる遊びとして、各命令に使用する文字を置き換えた派生言語が考えられている。以下はその代表例である。
- A - 「
A」だけで記述する。文字を置き換え、難読性を深めた例。 - BrainCrash - 4つの命令「
|&~^」を加えたもの。終了時にポインタの指す値が0になるまでポインタを進め値を出力する。また、実行前に"Hello, world!"が格納される。原型をさらに発展させた例。 - Ook! - 「
Ook.」「Ook!」「Ook?」のうち2つのトークンから成る文字列をBrainfuckの各命令に当てはめたもの。使用される記号(実際には文字列だが)の種類がわずか3つと、本家より少ない。元の8種類の文字を置き換え、よりユーモアを加えた例。
脚注
注釈
出典
関連項目
- 難解プログラミング言語
外部リンク
- http://www.muppetlabs.com/~breadbox/bf/ 解説ページ(英語)
- Index of /brainfuck 処理系のアーカイブ
- Brainfuck Golf お題に沿ってなるべく短いBrainfuckソースコードを書くコンテスト
- http://home.arcor.de/partusch/html_en/bfd.html Brainfuck Compiler (Windows/MS-DOS)
- http://brainfuck.progopedia.org/ Kit's JavaScript Brainfuck Interpreter
- http://cfs.maxn.jp/neta/onlineBrainFuck.html ONLINE BrainF*ck interpreter for JavaScript(STEP実行ができる)
- http://lab.moyo.biz/garage/brainfuck/index.xsp BrainFuck ダイナマイツ(メモリ表示付きインタープリタアプレット)
- http://d.hatena.ne.jp/yoshidaa/20130514/1368540057 Ruby による Brainf*ck の実装例 (動作過程を表示)



