松本駅(まつもとえき)は、長野県松本市深志一丁目にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)・アルピコ交通の駅である。
概要
松本市の中心駅で、駅周辺には繁華街が広がり多くの企業、また信州大学をはじめとする各種学校の最寄駅でもある。利用者層は幅広く平日は朝夕を主として、休日は日中を含めて混雑が見られる。周辺に多くの観光地があり当駅はその拠点駅となっており、土休日には観光ツアーの団体客、旅行客等の利用で賑いをみせる。
JR東日本の篠ノ井線と大糸線、アルピコ交通の上高地線が乗り入れている。JRの駅としての所属線は篠ノ井線であり、大糸線と上高地線は当駅を起点としている。篠ノ井線の列車については、塩尻駅を介して中央本線(中央東線・中央西線)へ直通する列車も多数設定されている。そのためJR東日本では、旅客案内上は当駅以南も中央本線の一部として案内されている。篠ノ井線は駅番号「SN 06」が、大糸線は駅番号「42」が、アルピコ交通上高地線では駅番号「AK-01」が付与されている。
特急列車は、東京・千葉方面を結ぶ「あずさ」と、名古屋・長野方面とを結ぶ「しなの」の全列車が停車し「あずさ」については大糸線に直通する一部列車を除き当駅を始終着としている。2018年頃までは土、休日に運転される「はまかいじ」も発着していた。 JR松本駅の事務管コードは▲511504。
歴史
- 1902年(明治35年)
- 6月15日:官設鉄道(後の日本国有鉄道)篠ノ井線が西条駅から延伸した際の終着駅として開業。旅客・貨物の取扱を開始。
- 12月15日:篠ノ井線が塩尻駅まで延伸され、途中駅となる。
- 1915年(大正4年)4月5日:信濃鉄道が開業し、南松本駅(現在の南松本駅とは別)が設置される。
- 1916年(大正5年)9月18日:南松本駅が松本駅に統合。
- 1921年(大正10年)10月2日:筑摩鉄道(後の松本電気鉄道、現・アルピコ交通)島々線(現・上高地線)が開業し、当駅で接続。
- 1937年(昭和12年)6月1日:信濃鉄道が国有化され、大糸線となる。
- 1942年(昭和17年)4月:駅舎改築。
- 1947年(昭和22年)2月4日:夕方に駅舎内から出火し、木造2階建300坪が全焼。出火原因は漏電が疑われている。田沢駅、南松本駅で折り返し運転を行った。
- 1948年(昭和23年)4月28日:駅舎改築。
- 1964年(昭和39年)4月1日:松本電気鉄道浅間線廃止。後に駅前広場を改良。
- 1965年(昭和40年)10月1日:みどりの窓口設置。
- 1968年(昭和43年)6月1日:(松本電気鉄道連絡貨物を除く)貨物の取扱を廃止。
- 1972年(昭和47年)4月1日:旅行センター開業。
- 1973年(昭和48年)12月1日:松本電気鉄道連絡貨物の取り扱いを廃止。
- 1978年(昭和53年)
- 7月22日:駅舎改築。
- 10月14日:昭和天皇が第33回国民体育大会に合わせて県内を行幸。お召し列車が長野駅発、松本駅着で運転。
- 1986年(昭和61年)11月1日:新聞紙を除く荷物の扱い廃止。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化により、国鉄の駅はJR東日本の駅となる。
- 1992年(平成4年)4月2日:駅ビルが改装、「セルヴァン」から「MIDORI」となる。
- 2006年(平成18年)5月20日:東西自由通路一部供用開始(改札口供用開始、西口バリアフリー化、みどりの窓口移転)、自動改札機稼動開始。
- 2007年(平成19年)9月1日:駅舎改築完成。
- 2010年(平成22年):駅ビル前のオアシス風の広場を解体し、広場が整備される。
- 2012年(平成24年):駅前広場整備事業が完成。
- 2014年(平成26年)4月1日:篠ノ井線塩尻方面でICカード「Suica」の利用が可能となる。東京近郊区間に編入される。
- 2016年(平成28年)12月12日:大糸線の駅番号に42を設定。
- 2019年(令和元年)
- 9月30日:びゅうプラザの営業を終了。
- 11月22日:改札前広場(待合室)設置。
- 2020年(令和2年)3月23日:訪日外国人専用カウンター「JR EAST Welcome Center MATSUMOTO」を開設。
- 2021年(令和3年)
- 8月15日:令和3年8月の大雨で上高地線の西松本駅 - 渚駅にある田川橋梁が被災し、上高地線の該当区間が運休となる。
- 8月16日:当駅 - 新村駅間で代行バス運行を実施。当駅の代行バス乗り場はアルプス口(西口)広場ロータリー西側。
- 10月8日:上高地線の渚駅 - 新島々駅間で列車の運転を再開。当駅 - 渚駅間の代行バスは継続。
- 2022年(令和4年)6月10日 - 上高地線の当駅 - 渚駅間の列車運転再開に伴いバス代行輸送を終了。
- 2023年(令和5年)12月1日 - 乗り越し自動精算機が改札構内に新設。
- 2024年(令和6年)3月16日 - 0番線発着の定期列車が無くなる(休止)。並びにお城口(東口)バスのりばにバスターミナル発着する信大横田循環線など一部路線が発着開始、また並柳団地線系統2(日中便のみ)はバスターミナルに移転。
- 2025年(令和7年)
- 2月:篠ノ井線の駅番号にSN 06を設定。
- 3月15日:篠ノ井線篠ノ井方面よび大糸線穂高方面でICカード「Suica」の利用が可能となる。
駅構造
当駅はJR東日本とアルピコ交通が構内を共用する共同使用駅で、JR東日本が駅を管轄している。標高は586.0メートル。
0番線から7番線(0・6・7番線は切欠きホーム)まで、各ホームに2線ずつ、計4面8線のホームを持つ地上駅で、橋上駅舎を有している。
塩尻駅から続いた複線は当駅から長野方面は単線になる。
7番線は上高地線用ホームで改札口から番線までの途中にある。JR線からの乗り継ぎはJR乗車券を持ったまま乗り換え可能で精算時には運転士に乗車券を渡し松本からの運賃を渡す方式である。逆にJR線への乗り継ぎには運転士に上高地線運賃と引き換えに乗継券を受け取りJR線の電車で乗務員または線内の駅で乗継券を渡しJR運賃を精算する。
改札口は1箇所で3階にある。その他3階に、JR東日本の設備として駅事務室・みどりの窓口、VIEW ALTTE(ATM)がある。また、自動券売機(上高地線に対応するのは左の2台)、指定席券売機、自動改札機を設置している。松本市も設備を有しており、観光案内所がある。びゅうプラザ閉鎖に伴い跡地に訪日外国人専用カウンターが設置された。
松本統括センターの拠点駅。直営駅(駅長配置)であり、管理駅として篠ノ井線の村井駅 - 冠着駅間の各駅および大糸線の北松本駅・島内駅・島高松駅を管理している。
駅舎の店舗は、駅ビル「MIDORI」と2階・3階で接続しているほか、3階にスターバックスコーヒー、NewDays(土産屋を併設)がある。
改札の外には、お城口(東口)・アルプス口(西口)それぞれにエスカレーターとエレベーターが設置され、車椅子利用者単独での利用が可能である。
改札の中の通路及びホーム上にNewDays、各種売店がある。駅そばは0・1番線にある。6・7番線にもあったが2020年9月末限りで営業終了した。改札の中には、すべてのホームにエレベーターが、6・7番線を除く各ホームにエスカレーターが設置されている。特急列車が発着するホームの長野方には喫煙ルームが設置されている。
2007年(平成19年)5月1日に松本市制施行100周年を迎えるにあたって、駅舎・駅前広場の改良工事が行われた。地元の篆刻家によって揮毫・木彫された三代目駅舎の表札がお城口に掲示されている。かつては西口改札口があり6番線から直接出入りできたが現在の駅舎改修に伴い閉鎖・廃止された。
のりば
(出典:JR東日本:駅構内図)
- 名古屋方面特急「しなの」は、全列車1番線に到着する。(大糸線に直通する臨時列車は除く)
- 1番線からも長野方面行きや塩尻方面行きの列車が発車する。大糸線と塩尻方面を直通する列車は、線路配置の関係から1番線には進入できず、2 - 5番線から発車する。
- 6番線は大糸線専用で配線の関係から篠ノ井線には進入できない。
- 7番線はアルピコ交通(通称・松本電鉄)専用ホームであるがJRの線路とは繋がっていない。
- 2024年3月16日より0番線発着の定期列車は無く回送列車の留置線として使用されている。
駅弁
松本駅前に店を構えるイイダヤ軒と塩尻駅の駅弁業者でもあるカワカミの2社の駅弁が主に販売されている。主な駅弁は下記の通り。
利用状況
- JR東日本 - 2023年度(令和5年度)の1日平均乗車人員は15,292人である。
- アルピコ交通 - 2022年度(令和4年度)の1日平均乗車人員は1,808人である。
2000年度(平成12年度)以降の推移は以下のとおりである。
駅周辺
松本市街地の西端に位置する。
お城口
アルプス口
- ホテルモンターニュ松本
- 松本協立病院
- JR東日本松本統括センター
- JR東日本松本車両センター
- 西松本駅 - アルピコ交通(通称・松本電鉄)上高地線
- 田川
- 薄川
バス路線
東口に松本駅お城口、西口に松本駅アルプス口バス停が設置され、アルピコ交通をはじめとする以下の路線バスが運行されている。 駅前発着の路線バスは松本バスターミナルを経由せず、バスターミナルの最寄りになるのはバスターミナル北バス停である。
アルピコ交通(通称・松本電鉄バス)および共同運行会社の路線バス・高速バスなど大半の路線バスは至近の松本バスターミナルから発着する。
到着便は路線によって異なるが、ほとんどの便は松本駅前交差点の南側とに到着し便によっては松本駅お城口到着便は時計台前に、アルプス口到着便は乗り場と同じ場所に到着する。高速バス・特急バスは松本バスターミナル南側に到着する。 トラビスジャパンによる運行バスはお城口広場から南へ約400mにあるしらかば大通りバス停
お城口(東口)
- 松本駅お城口
- 21番のりば
- 北市内線 東回り [100]
- 秀峰学校、横田経由、信大病院南口、深志ヶ丘方面
- 北市内線 西回り[110]
- 蟻ヶ崎高校、深志ヶ丘、信大病院玄関経由、横田方面
- 北市内線 信大病院玄関行き[81]
- 蟻ヶ崎高校、深志ヶ丘方面
- 松本周遊バス北コース[200]
- 松本城、旧開智学校方面
- 松本周遊バス南コース[220]
- 相澤病院、埋橋、ゆめひろば庄内、ライフスクエアコモ庄内、ハローワーク入り口、相澤病院方面
- 北市内線 東回り [100]
- 22番のりば
- 松本周遊バス東コース[210]
- 松本市立博物館、中町・蔵シック館、日ノ出町(イオンモール松本)、あがたの森方面
- 新浅間線[21]
- 秀峰学校、横田経由、松本第一高校、浅間温泉行き
- 横田信大循環線[120]
- 横田、松本第一高校、浅間温泉入り口、エアー・ウォーターアリーナ松本経由、信州大学方面
- 松本周遊バス東コース[210]
- 23番のりば
- 浅間線[32]
- 松本城・市役所前、新町、信州大学経由、浅間温泉行き
- 信大横田循環線[130]
- 信州大学、エアー・ウォーターアリーナ松本、松本第一高校経由、横田、秀峰学校方面
- 浅間線[32]
アルプス口(西口)
- 松本駅アルプス口
- 31番のりば
- 松本市地域連携バス 松本島内線:合同庁舎方面
- 『小宮会館』行きと『ラーラ松本』行きがある。
- [300]南部循環線:笹部団地・南松本駅前方面
- [230]合庁ライナー:県松本合同庁舎行き
- 美ヶ原高原直行バス 美ヶ原高原自然保護センター行き
- 季節運行・予約制だが乗車開始1ヶ月前から当日出発時間15分前までの予約可能。
- 松本市地域連携バス 松本島内線:合同庁舎方面
その他
- NHKの連続テレビ小説「おひさま」第103回で、1947年(昭和22年)頭の設定で、松本駅が炎上し、足止めを余儀なくされた人たちに対して、市内の主人公宅のそば屋が炊き出しをする場面があった。上がる炎が見えるのみで、駅自体は登場しなかった。
- 当駅到着時には「まつもとぉー」と、独特のイントネーションによる女声の駅名自動放送が流れている。自動放送の声優を担当した沢田敏子によると、これは国鉄時代に駅内自動放送を導入する際、長野への冬季オリンピック招致を見据えた新技術の先行導入の一環として、通常の切れのいい発音を行わない別枠扱いとして「旅情を呼ぶ声で言って欲しい」と注文されたためであるという。
- 6番線にあった蕎麦屋は2020年9月30日をもって閉業した、
隣の駅
- 東日本旅客鉄道(JR東日本)
- 中央本線・ 篠ノ井線
- 特急「あずさ」発着駅(1往復除く)、「しなの」停車駅
- □快速・■普通(いずれも「みすず」含む)
- 南松本駅 (SN 05) - 松本駅 (SN 06) -(平瀬信号場)- 田沢駅 (SN 07)
- ■大糸線
- 特急「あずさ」(5・46号のみ)・「はくば」停車駅
- □快速(上り1本のみ運転)・■普通
- (篠ノ井線)松本駅 (42) - 北松本駅 (41)
- アルピコ交通
- ■上高地線
- 松本駅 (AK-01) - 西松本駅 (AK-02)
脚注
記事本文
注釈
出典
報道発表資料
新聞記事
利用状況
JR東日本
アルピコ交通
参考文献
- 信濃毎日新聞社出版部 編『長野県鉄道全駅』(増補改訂版)信濃毎日新聞社、2011年7月24日。ISBN 9784784071647。
- 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』(初版)JTB、1998年10月1日。ISBN 978-4-533-02980-6。
関連項目
- 日本の鉄道駅一覧
外部リンク
- 駅の情報(松本駅):JR東日本
- のりば案内・松本駅:アルピコ交通

![松本駅画像ファイル110 [AGUI NET]](http://www.agui.net/tasya/jre/jresta-matsumoto-2r.jpg)


