アーロン・ウォルター・ヒルAaron Walter Hill, 1982年3月21日 - )は、アメリカ合衆国カリフォルニア州トゥーレアリ郡バイセイリア出身の元プロ野球選手(二塁手、三塁手、左翼手)。右投右打。

経歴

プロ入りとブルージェイズ時代

2003年のMLBドラフト1巡目(全体13位)でトロント・ブルージェイズから指名され、プロ入り。

2005年5月20日のワシントン・ナショナルズ戦でメジャーデビュー。控えの内野手という形での出場となったが、105試合に出場した。

2006年はトレードでアリゾナ・ダイヤモンドバックスに移籍したオーランド・ハドソンの穴埋め要員として、二塁手のレギュラーとして2005年を上回る成績をマークした。

2007年は自己最多の160試合に出場。1993年にロベルト・アロマーが樹立した二塁手の球団本塁打記録に並ぶ17本塁打をマーク。また、盗塁数は4と試行回数こそ少なかったものの、5月には球団史上2人目のホームスチールを成功させた。

2008年4月に2011年までの4年総額1200万ドル(3年間のオプションも含めると最大で7年総額3600万ドル)で契約延長。しかし、5月29日のオークランド・アスレチックス戦で遊撃手のデビッド・エクスタインと交錯し、脳震盪が起こり、そのままシーズンを終えた。

2009年は4月からコンスタントに本塁打を量産。最終的にリーグ3位となる36本塁打をマーク。オールスターにも初選出され、カムバック賞、シルバースラッガー賞を受賞し飛躍の年となった。

2010年は開幕直後にハムストリングを痛め故障者リスト入りした。復帰後も怪我の影響で例年よりも守備指標では悪化しエラー数も増加。しかしそれ以上に打撃面で苦しみ、26本塁打を放ちパワーは昨季ほどではないものの健在であることを見せたが、打率は.205とキャリアワーストの2008年の.263と比べても非常に悪い、極度の打撃不振に陥る。長打率は4割に満たなかった。

2011年も打撃不振が続き、本塁打が大きく減少した。

ダイヤモンドバックス時代

2011年8月23日にケリー・ジョンソンとのトレードで、ジョン・マクドナルドと共にダイヤモンドバックスへ移籍、移籍後は調子を上げた。シーズン終了後、球団はヒルの2013年までの2年1600万ドルのオプションを一旦破棄し、その後2年1100万ドルで再契約を結んだ。

2012年は2度のサイクル安打を達成し、自己最高の打率.302、OPS.882を記録。本塁打も26本放ち、3年ぶりのシルバースラッガー賞を受賞を果たした。

2013年2月8日に翌年から3年3500万ドルでダイヤモンドバックスと契約を延長した。4月9日のピッツバーグ・パイレーツ戦では死球で骨折するアクシデントにも見舞われて87試合の出場に留まったが、打率.291・OPS0.818と2年連続で好成績をマークした。

2014年、2年ぶりに規定打席に到達したが、.240台の打率に終わり不振だった。

2015年は116試合の出場に留まり、またしても規定打席に届かなかった。打撃面では通算150本塁打を達成したが、更に劣化が進んで打率.230・6本塁打・39打点・OPS0.640という低調な成績に終わった。走塁面では、盗塁が2年連続で増加して7盗塁を決め、成功率は78%だった。守備では、二塁手と三塁手を守り分けた。本職の二塁は47試合で守り、2失策・守備率.989・DRS 1という内容で、平均レベルの堅実さを見せた。一方、三塁では38試合で4失策・守備率.952・DRS - 4という成績に終わった。他に、指名打者としても2試合に起用された。

ブルワーズ時代

2016年1月30日にジーン・セグラ、タイラー・ワグナーとのトレードで、チェイス・アンダーソン、イーサン・ディアスと共にミルウォーキー・ブルワーズへ移籍した。ブルワーズではサードないしセカンドで起用され、78試合で打率.283・8本塁打・29打点・4盗塁というまずまずの成績を残した。守備はサード59試合、セカンド20試合を守り、DRSはそれぞれ 4と0だった。

レッドソックス時代

2016年7月7日にアーロン・ウィルカーソン、ウェンデル・リーホとのトレードで、ボストン・レッドソックスへ移籍した。レッドソックスではサードで使われ47試合に出場したが、打率.218・2本塁打・9打点という成績に留まり、バッティングはメルトダウンした。サードの守備(44試合)も劣化し、3失策・守備率.960・DRS - 1と、やや不安定だった。ブルワーズとの合算では、125試合の出場で打率.262・2年ぶりの2ケタ本塁打となる10本塁打・38打点・4盗塁という成績を記録。メインで守ったサードの守備は、計103試合で5失策・守備率.976・DRS 3というものだった。オフの11月3日にFAとなった。

ジャイアンツ時代

2017年2月17日にサンフランシスコ・ジャイアンツのスプリングトレーニングに招待選手として参加することになった。4月2日にメジャー契約を結び、開幕25人枠入りした。6月24日にDFA、29日にFAとなった。

プレースタイル

小柄な体型ながら二塁手としてはメジャーでも屈指の長打力を持つ。典型的なプルヒッターで、たまに右翼から中堅方向へのヒットも見られるが、本塁打の打球はほぼ全て左翼方向への本塁打となっている。

課題は出塁率の低さで、そのため本塁打数の割に長打率やOPSといった指標での数字は意外と伸びない。

守備ではゴールドグラブ賞の受賞こそないものの、堅実で安定した守備を見せ、UZRやプラス・マイナス・システムにおいてトップクラスの数字をマークしている。

詳細情報

年度別打撃成績

  • 各年度の太字はリーグ最高

表彰

MiLB
  • オールスター・フューチャーズゲームMVP:1回(2004年)
MLB
  • シルバースラッガー賞:2回(2009年<ア・リーグ二塁手部門>、2012年<ナ・リーグ二塁手部門>)
  • カムバック賞:1回(2009年)
  • プレイヤーズ・チョイス・アワーズ・カムバック賞:1回(2009年)
  • フィールディング・バイブル・アワード:2回(2007年、2009年)

記録

MiLB
  • オールスター・フューチャーズゲーム選出:1回(2004年)
MLB
  • MLBオールスターゲーム選出:1回(2009年)
  • サイクル安打:2回(2012年6月18日、2012年6月29日)

背番号

  • 2(2005年 - 2015年)
  • 9(2016年 - 同年7月6日)
  • 18(2016年7月7日 - 同年終了)
  • 7(2017年)

脚注

関連項目

  • メジャーリーグベースボールの選手一覧 H

外部リンク

  • 選手の通算成績と情報 MLB、ESPN、Baseball-Reference、Fangraphs、The Baseball Cube、Baseball-Reference (Register)
  • Aaron Hill stats MiLB.com (英語)

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