ネズミ下目(ネズミかもく)、別名齧歯下目(げっしかもく、Myodonta)またはネズミ形下目ネズミ形亜目(ネズミけいかもく・ネズミけいあもく、Myomorpha)は、齧歯目内のグループである。ネズミ、ハムスター、タビネズミ(レミング)、ハタネズミ等、哺乳動物の1/4の1137種が属す。ほとんどすべての種が陸上で生活し、通常は木の実などを食べる。

このグループの齧歯目内での分類学的位置づけについては、いくつかの異なる説があるが、いずれでも、名称・階級は異なれどこのグループは認められている。

  • ネズミ形亜目 Myomorpha(広義):齧歯下目 Myodonta - ウロコオリス形下目Anomaluromorphaなどと共にネズミ形亜目にまとめる分類。
  • ネズミ形亜目 Myomorpha(狭義) - ネズミ形亜目のそれぞれの下目を亜目に格上げする分類。
  • リス顎亜目 Sciurognathi:ネズミ形下目 Myomorpha - 古い分類で、現在はあまり使われない。
  • 亜目 Supramyomorpha:下目 Myomorphi - 2019年に提唱された分類で、MyomorphaはMyomorphiのシノニムとなる。Anomaluromorphi・Castorimorphiが同階級に属する。

分類

ネズミ下目の種は、あごと歯の構造により分類される。多くはネズミ上科に分類されるが、この他に、トビネズミ上科も含まれている。

以下の現生科の分類は、Burgin et al. (2020) に従う。和名は原則として川田ら (2018) に従うが、一部を遠藤・佐々木 (2001) に従った。

  • ネズミ上科 Muroidea
    • トゲヤマネ科 Platacanthomyidae
    • メクラネズミ科 Spalacidae
    • カンガルーハムスター科 Calomyscidae
    • アシナガマウス科 Nesomyidae
    • キヌゲネズミ科 Cricetidae
    • ネズミ科 Muridae
  • トビネズミ上科 Dipodoidea
    • トビネズミ科 Dipodidae
    • トビハツカネズミ科 Zapodidae
    • Sminthidae(現生属はオナガネズミ属Sicistaのみ。トビネズミ科のオナガネズミ亜科Sicistinaeを独立科として分割)

絶滅科としては、トビネズミ上科に属するシミムス科Simimyidaeがある。

歴史的には、以下の科もネズミ形下目に属していた。2005年以降の分類体系では他の亜目に属している。

  • ホリネズミ上科 Geomyoidea →ビーバー形亜目
    • ポケットマウス科 Heteromyidae
    • ホリネズミ科 Geomyidae
  • ヤマネ上科 Gliroidea →リス形亜目
    • ヤマネ科 Gliridae

脚注


白い背景に後ろ足で立っているフィールドボレ 小型のネズミのストックフォトや画像を多数ご用意 小型のネズミ, 茶色, オランダ iStock

ユーラシアネズミアポデムス種白い背景の前の後ろ足に 小型のネズミのストックフォトや画像を多数ご用意 小型のネズミ, 後ろ姿, 白背景

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